治療不可能な恋をした

「……今までは酒が入ってたから、触るだけですぐ濡れてたけど」

囁くような声が、耳の奥に落ちる。

「でも今日は、すごく緊張してるだろ?」

「そ、それは……っ」

「……俺は、お前に気持ちよくなってほしいんだよ。付き合って初めての夜が、痛いだけの思い出になるなんて……ぜってえ、嫌だから」

その声音があまりに真剣で、息が詰まった。

理人の濡れた舌先が、秘めた場所をなぞった。柔く撫でられる度に、感じるよりも先にびくびくと足が跳ねる。

「…っ、あ、んっ、ゃああ…っ」

漏れる声は次第に熱を帯び、恥ずかしさに目をぎゅっと閉じる。けれど、そうすると余計に他の感覚が研ぎ澄まされて、逃げ道がなくなった。

滑るように腿を撫でていた手とは逆の指先が、ぬるりと入り込む。

ゆっくりと奥を探るように動き、何度も抜き差しを繰り返すたび、胸の奥にじわじわと熱が溜まっていく。

「あ、まっ……おうさかく、まってぇ…っ」

訴えた声に、返事はない。理人の顔はまだ脚の間に埋まったまま、熱を注ぎ込むように触れてくる。

滲んだ涙がこめかみを伝い、梨乃は咄嗟に手元の枕をぎゅっと握りしめた。
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