治療不可能な恋をした
しばらく無言だった理人の顔が、ふっと綻ぶ。
「……じゃあ、もっとつける」
「!?な、なんで!?」
「思い出せばいいじゃん。俺のこと」
不意に近づく体温。抵抗の暇もなく距離を詰められて、思わず息をのむ。
「梨乃の頭ん中、もっと俺でいっぱいになればいいんだよ」
そう言って、指先が胸の先をそっとなぞった瞬間——火花のように、脳裏が跳ねた。まるで彼の存在そのものが、理性をほどいていくみたいだった。
「あっ……」
小さく漏れた声が、自分のものとは思えないほど甘く、濡れていた。
「……うん、やっぱかわいい。もっと啼いてよ、梨乃」
理人の舌が首筋を這い、遊ぶように触れていた指先が、かたくなった蕾を摘む。熱のこもった舌が肌を伝うたび、ぞくぞくと頭の奥が痺れていく。
「んっ……や、ぁ……」
鼻から抜けた声が、音の形を成して耳をくすぐった。
だんだんと下へ落ちていく理人の顔が、その感覚をさらに煽っていく。
やがて、脚の付け根に理人の舌が触れた瞬間、梨乃の体がびくんと大きく跳ねた。
「お、逢坂く……っ、だ、だめ……っ」
「……ん、ここ舐められるの、嫌い?」
伏し目がちに尋ねながら、内腿を優しく撫でる指先。
(嫌いもなにも……そんなの、したことないよ……っ)
でも、それを口にすることもできず、ただ戸惑いに揺れるまま、声を失ってしまう。
その間に、理人の指がそっと、割れ目をなぞった。