旧校舎のあの子
参列者の中には第一発見者の人もいたのですが、その人はずっと蒼白顔でうつむいていました。
イトコの最後の姿を見た唯一の人です。
なにか有力が情報を持っているかもしれないので、私はその人に注目していました。
お焼香の順番が回ってきた親族へ近づいて行ったとき、イトコの母親がその人を呼び止めました。
そしてその腕にすがりついて「なんでもいいからあの子の情報を教えてください」と言い始めたんです。
隣にいたお父さんがすぐに止めに入りましたけれど、そのとき一瞬男性の声が聞こえてきました。
「苦しそうな声が聞こえてきたから、確認してみたんです」
第一発見者の人はそう言っていました。
イトコの最後の姿を見た唯一の人です。
なにか有力が情報を持っているかもしれないので、私はその人に注目していました。
お焼香の順番が回ってきた親族へ近づいて行ったとき、イトコの母親がその人を呼び止めました。
そしてその腕にすがりついて「なんでもいいからあの子の情報を教えてください」と言い始めたんです。
隣にいたお父さんがすぐに止めに入りましたけれど、そのとき一瞬男性の声が聞こえてきました。
「苦しそうな声が聞こえてきたから、確認してみたんです」
第一発見者の人はそう言っていました。