完璧すぎる淑女は「可愛げがない」という理由で婚約破棄されました。 ~元聖女ですが、古代魔術まで極めてみました~
後日、平和な辺境伯の屋敷で2人はお茶会をしていた。
その日は執事のトーマスに、研究に熱中しすぎだと説教され、1日研究を禁じられた日だった。
「にしても、愛嬌まで計算済みってか」
「東洋の言葉に『能ある鷹は爪を隠す』というものがあるそうよ。私の愛嬌は、まさに最終手段。そもそも、聖女に愛嬌は不要よ。人を必要以上に誑かしかねない」
「面白い言葉だな。その完璧さで、さらに爪まで隠していたとは」
カップをソーサーに置きながら、エメラルダはアルフォンスをじとっと睨む。
「それを言うなら、私だってあなたが王族の血を引いているとは存じ上げなかったわよ」
「言う必要がないと思ったんだ」
「知っていれば、」
「俺の元に来なかった?」
一瞬、中庭が静かになる。アルベルトは目を伏せ、エメラルダの言葉を待った。
少しの間の後、
「王族の愚痴をもっと共有できたじゃない」
むすっと頬を膨らませ、エメラルダはクッキーを齧った。そんなエメラルダを、アルベルトは愛おしそうに見つめる。
「今からでも遅くないんじゃないか」
「でも本人にぶつけてスッキリしちゃった」
「あれは良かったな~。今思い出しても最高だ」
「アルベルトの煽りだって、聞いていて楽しかったわよ。口は悪かったけれどね」
「あの後、王妃と揉めたらしいな。ざまあみろってんだ」
楽しげに笑う、エメラルダとアルベルト。
古代魔術が繋いだ不思議な縁は、きっと切れることはないのだろう。
その日は執事のトーマスに、研究に熱中しすぎだと説教され、1日研究を禁じられた日だった。
「にしても、愛嬌まで計算済みってか」
「東洋の言葉に『能ある鷹は爪を隠す』というものがあるそうよ。私の愛嬌は、まさに最終手段。そもそも、聖女に愛嬌は不要よ。人を必要以上に誑かしかねない」
「面白い言葉だな。その完璧さで、さらに爪まで隠していたとは」
カップをソーサーに置きながら、エメラルダはアルフォンスをじとっと睨む。
「それを言うなら、私だってあなたが王族の血を引いているとは存じ上げなかったわよ」
「言う必要がないと思ったんだ」
「知っていれば、」
「俺の元に来なかった?」
一瞬、中庭が静かになる。アルベルトは目を伏せ、エメラルダの言葉を待った。
少しの間の後、
「王族の愚痴をもっと共有できたじゃない」
むすっと頬を膨らませ、エメラルダはクッキーを齧った。そんなエメラルダを、アルベルトは愛おしそうに見つめる。
「今からでも遅くないんじゃないか」
「でも本人にぶつけてスッキリしちゃった」
「あれは良かったな~。今思い出しても最高だ」
「アルベルトの煽りだって、聞いていて楽しかったわよ。口は悪かったけれどね」
「あの後、王妃と揉めたらしいな。ざまあみろってんだ」
楽しげに笑う、エメラルダとアルベルト。
古代魔術が繋いだ不思議な縁は、きっと切れることはないのだろう。

