借金令嬢は異世界でカフェを開きます
今日のオズワルドは、整えた髪をわざと崩したような無造作な雰囲気があり、それが妙にグレースの胸を騒がせる。食前用に、店では出さない紅茶を入れていたグレースが返事をすると、オズワルドは手のひらよりも少し大きな箱を差し出した。
「オズワルドさん、これは?」
「開けてみてください」
テーブルに置かれた箱は固い紙製だ。流通しているとはいえ、ここでの紙は高級品。それだけでその辺で手軽に手に入るものではないと分かる。
グレースは不思議に思いつつ、どこか楽しそうなオズワルドをちらりと見て、箱のリボンをほどいた。
「わぁ。チョコレート」
中に入っていたのは九つに区切られたスペースに、つやつやとしたさいころ型のチョコレートだった。
「最近一部で話題になっている、ミルクチョコレートと言うものだそうです。この艶が今までにないものらしくて。さっき、たまたま手に入ったんで持ってきたんですよ」
食べてほしいと微笑んでくれるオズワルドに、グレースは「嬉しいです」と素直に礼を言った。
一見、とても質素にも見える飾り気のないチョコレートだ。でもグレースにはこれが、とても手間をかけられたものであることがよくわかった。少なくともこのあたりの市場では、まず見ることができないレベルのものだと思う。彼はたまたまなんて言っていたけれど、相当手を尽くして手に入れてくれたのだろう。
心がこもったプレゼントに、このまま時が止まればいいと思うほど幸せな気持ちになった。
「きれいですね。食べるのがもったいないくらい」
「いや、そこは遠慮なく食べてください」
「ふふっ。では食事の後、みんなで頂きましょう」
「オズワルドさん、これは?」
「開けてみてください」
テーブルに置かれた箱は固い紙製だ。流通しているとはいえ、ここでの紙は高級品。それだけでその辺で手軽に手に入るものではないと分かる。
グレースは不思議に思いつつ、どこか楽しそうなオズワルドをちらりと見て、箱のリボンをほどいた。
「わぁ。チョコレート」
中に入っていたのは九つに区切られたスペースに、つやつやとしたさいころ型のチョコレートだった。
「最近一部で話題になっている、ミルクチョコレートと言うものだそうです。この艶が今までにないものらしくて。さっき、たまたま手に入ったんで持ってきたんですよ」
食べてほしいと微笑んでくれるオズワルドに、グレースは「嬉しいです」と素直に礼を言った。
一見、とても質素にも見える飾り気のないチョコレートだ。でもグレースにはこれが、とても手間をかけられたものであることがよくわかった。少なくともこのあたりの市場では、まず見ることができないレベルのものだと思う。彼はたまたまなんて言っていたけれど、相当手を尽くして手に入れてくれたのだろう。
心がこもったプレゼントに、このまま時が止まればいいと思うほど幸せな気持ちになった。
「きれいですね。食べるのがもったいないくらい」
「いや、そこは遠慮なく食べてください」
「ふふっ。では食事の後、みんなで頂きましょう」