借金令嬢は異世界でカフェを開きます

 絶対伝えられないと思ってた気持ちを吐き出したことで胸の内が軽くなり、思わず笑みが浮かんだ。呆然としていたオズワルドがハッと息を飲む。

「じゃあ、僕が結婚を申し込んでも迷惑ではない?」

 思わず……といった風にポロリとそんなことを言ったオズワルドは、自分の言葉に驚いたように手を離し横を向いてしまった。
 グレースの心臓は一度大きく胸を打つも、(やっぱりオズワルドさんは可愛いなぁ)とあふれる愛しさに、そっと手を伸ばす。その赤くなった頬に触れ、その温かさに胸がキュンと甘く痛んだ。

「迷惑なんて……。そんなことをされたら、幸せで死んでしまうかも……」

 これ以上信頼できる人には、この先決して出会えないと思った。こんなに愛せる人にも、きっと――。

「レディ・グレース!」
「はい」
「僕は君を心の底から愛しています。絶対大事にするし、幸せにします。だから僕の婚約者として、新年の舞踏会に一緒に行ってください」
「オズワルドさん。はい、喜んで」

 今までで一番の笑顔を見せてオズワルドが初めてしてくれたキスは、とっても甘くどこまでも優しくて、グレースは自分が綺麗に浄化されたような……そんな、気がした。

   ***

 新年の鐘と共に始まった舞踏会には、グレースの祖母と弟のリチャードも招待されていた。

 まさかオズワルドが国王の息子で現公爵であるとは夢にも思わなかったし、その姉のリーアが本当は、今年国王になるエミリア殿下であることにも驚いた。

 中でも意外だったのがオズワルドの友人ビバルで、なんと彼は王立図書館の副館長をしている司書だという。
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