キミの気持ちに気づく瞬間

「おっ、はよっ!」

 きゃー!

 私に挨拶してくれたのは、毎朝告白するかどうかを占っていた相手、その人だった。

「朝イチでこんなふうにばったり会うのって初めてじゃね?」

 照れたようなその笑顔に、胸がキュンとする。
 これはきっとミラクルの続きだ。

 こ、これは……
 今日こそ告白するしかない!?

「ね、ねえ、今日時間ある?」
「時間……?」

 首を傾げるその仕草にもキュンキュンしてしまう。

「お昼休みでも、放課後でも! いつでもいいんだけど‼」
「俺もいつでもいいよ。最優先で時間作るから」

 ああ、好き!

「じ、じゃあ……」

 期待しかない。
 暴れる心臓をどうにか宥めて、私は待ち合わせの場所と時間を告げたのだった。



END

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