友情結婚って決めたのに 隠れ御曹司と本気の恋をした結果
 そんな私が、うまく心の奥底でいだいていた気持ちを伝えられるかは、わからないけど――。
 ここまで来たら、打ち明けるしかなかった。

「もう、友情結婚を続けるのは、無理なの。これ以上一緒にいたら、もっと欲張りになっちゃう……!」

 この先を伝えるのは、とても悲しい。
 でも、そうしなければ新しく始められない。
 だからこそ、申し訳なさでいっぱいになりながらか細い声で告げた。

「ごめんね。私と、別れて欲しいの」
「絶対に嫌です」
「それで、もう一回……」
「バツを無意味に増やす理由がありませんね」

 なのに――。
 どうやら蛍くんには、こちらの決意は1ミリも伝わらなかったようだ。
 わかりましたという返答の代わりに聞こえてきたのは、強い拒絶の言葉だった。

「な、なんで……」
「わかりませんか」
「だ、だって……。私は、蛍くんを裏切ったんだよ……?」
「いいえ。俺のほうがよほど、罪深い」

 ここは離婚に同意する場面なのではないかと促せば、彼はなぜか己の罪を告白し始める。

「友情結婚なんて、最初からするつもりはなかったんですよ」

 その言葉を聞いた瞬間、呼吸が止まった。
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