水色に混ざる夏
駄菓子屋に着くと、おばちゃんはちょうど店先に居て、雨で流れ着いた落ち葉を掃除していた。
「こんにちは〜。あの、ちょっと聞いてもいいですか?」
透くんが一歩前に出て、声をかける。
「お店、なくなるって噂を聞いたんですけど、本当なんですか?こんなこと聞くのも、なんですが……なんだか、この場所がなくなるなんて、想像できなくて」
おばちゃんは作業の手を止めて、にこっと笑った。
「あら、そんな風に思ってくれて、うれしいわね。大丈夫、あたしが元気なうちは、続けるつもりよ。でも、年寄りの健康なんて綱渡りだからねぇ……」
「そんなこと……きっと、大丈夫ですよ。毎年夏のかき氷、楽しみにしているのでよろしくお願いします」
「ありがとね、そう言ってくれると、やる気がでてくるってもんだよ」
透くんが、少しだけ顔を曇らせる。
曖昧な返事……でも、それ以上のことは聞けなかった。おばちゃんの言う通り、ずっと続けるって、言い切るのは無理だから。
おばちゃんと離れて中庭に来た時、透くんが、ぽつりとつぶやいた。
「……年齢のことを考えると、あんな風にしか言えないよな」
わたしもそれに、うなずくしかなかった。
元気な内は続ける……それ以外に、わたし達は一体どんな言葉を期待していたんだろう。
「こんにちは〜。あの、ちょっと聞いてもいいですか?」
透くんが一歩前に出て、声をかける。
「お店、なくなるって噂を聞いたんですけど、本当なんですか?こんなこと聞くのも、なんですが……なんだか、この場所がなくなるなんて、想像できなくて」
おばちゃんは作業の手を止めて、にこっと笑った。
「あら、そんな風に思ってくれて、うれしいわね。大丈夫、あたしが元気なうちは、続けるつもりよ。でも、年寄りの健康なんて綱渡りだからねぇ……」
「そんなこと……きっと、大丈夫ですよ。毎年夏のかき氷、楽しみにしているのでよろしくお願いします」
「ありがとね、そう言ってくれると、やる気がでてくるってもんだよ」
透くんが、少しだけ顔を曇らせる。
曖昧な返事……でも、それ以上のことは聞けなかった。おばちゃんの言う通り、ずっと続けるって、言い切るのは無理だから。
おばちゃんと離れて中庭に来た時、透くんが、ぽつりとつぶやいた。
「……年齢のことを考えると、あんな風にしか言えないよな」
わたしもそれに、うなずくしかなかった。
元気な内は続ける……それ以外に、わたし達は一体どんな言葉を期待していたんだろう。