水色に混ざる夏

第8話 夏の終わりと、風鈴の音色

夏休み最後の日。
2025年の空は、いまだ水色で、秋の気配は感じられない。

あれっきり、透くんには会っていなかった。
タイムリープはもうしないことになったから、《《謎を解き明かす》》って目的が曖昧になって、誘えなかった。

でも……夏休み最後の日だし会いたい——そんな気持ちで、わたしは約束もしてないのに、駄菓子屋へ向かっていた。

始まりと同じように、偶然を装って、ただかき氷を食べに来たような顔をして。

そして——
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