君のとなりで、恋をする

1話 はじまりの体育館

──春の朝。


真新しい制服の袖口をつまんで、私は校門をくぐった。

薄い冷気と、終わりかけの桜の匂い。

歩道に貼りついた花びらが、光をかすかに返す。

期待より不安が大きい。

今日から高校生活。

私を名前で呼ぶ人も、居場所も、まだない。

ローファーが砂利を鳴らすたび、鼓動がひとつ増えた。


(私、やっていけるのかな)


うつむいた視界の端で、白い花びらが靴の甲に留まり、小さく震えた。








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