君のとなりで、恋をする
後ろに残された煌大は、その場に立ち尽くしたまま。

追いかけることもできず、ただ拳を握りしめる。


(……なんで、そんな笑顔で……)


夕暮れの光に溶けるように、彼の表情には焦燥がにじんでいた。

誰よりも近くにいたはずの距離が、今はもう、手の届かない場所に変わっていた。

体育館の外では、蝉の声が弱々しく続いていた。

窓の向こうの空が、ゆっくり群青に沈んでいく。

その中で煌大は、何度も深呼吸を繰り返した。


(俺……何してんだろ)


怒りでも悲しみでもない。

ただ、どうしようもない悔しさが胸の奥に広がっていく。

あの笑顔を守りたいと思っていたのに、今の自分は、その笑顔から一番遠いところにいる。

彼女が出ていった扉を見つめたまま、煌大は小さく唇を噛んだ。






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