君のとなりで、恋をする
──なのに。


今、彼の視線は。

笑顔のまま、自然に翠を探している。

胸の奥に苦しさが広がる。

でも、責める気持ちはない。

翠は、私にとって大切な後輩だから。

放課後に体育館で一緒に片付けをしていたとき、ふと見上げた翠の笑顔が、眩しいほど真っ直ぐだった。

その純粋さを前にすると、自分の中の複雑な想いがどこか小さく見えてしまう。


(あの子は、まだ誰も疑わない目をしている)


それが悔しくて、愛おしくて、どうしようもなく羨ましかった。


(……負けたくない。それでも、あの子を嫌いになることは、できない)






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