君のとなりで、恋をする
──帰り道。


一人になって歩きながら、鞄の紐を強く握る。


(幼なじみとしての私。後輩としての翠)


どちらも煌大にとって大切な存在だ。

でも、彼の心を動かしているのは――翠。

それでも私は、諦めきれない。

簡単に背を向けられるほど、軽い想いじゃない。


「……私だって、まだ負けない」


でも、それは誰かと争うためじゃない。

自分の想いを、まっすぐ信じたいだけ。

たとえ彼の隣に誰がいても、私は私のままで、胸を張っていられるように。

夕暮れの光が伸びる道を、静かに歩き出す。

心の奥でまだ痛むけれど、その痛みさえも、私の“好き”の証だから。


(――ありがとう、煌大)


小さくつぶやいて、前を向いた。

もう振り返らない。

そう決めた自分の歩幅が、ほんの少しだけ軽く感じた。


――



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