君のとなりで、恋をする
(俺……あいつのこと――)
心の中で言葉を途中まで出して、いったん飲み込む。
けれど、もう戻れないところまで来ているのは、自分が一番わかっていた。
自覚した瞬間、胸の奥で何かが決定的に変わった。
今まで誰にも抱いたことのない、本気の想い。
冷静でいることが当たり前だった自分が、彼女の前では何度も崩される。
練習中も、生徒会の話をしている時も、ふとした拍子に思い出してしまうのは、あの不器用な真面目さと、必死で食らいつこうとする眼差しだ。
それが悔しいはずなのに、不思議と嫌ではなかった。
むしろ、嬉しくて仕方なかった。