君のとなりで、恋をする

心が勝手に動く。

笑顔を見たいと思う。

困っていたら助けたいと思う。

泣きそうな顔をさせたくないと思う。

その感情が揺るがぬものだと、もうはっきり分かってしまった。

どれだけ理屈を並べても、別の誰かを思い浮かべようとしても、全部無駄だと分かるくらいには。


──その夜、眠りにつくまで。


胸の奥で何度も、同じ言葉が繰り返されていた。


(俺は、長谷川翠が好きだ)


それを認めた瞬間、やっと深く息が吸えた気がした。

____



< 59 / 140 >

この作品をシェア

pagetop