君のとなりで、恋をする
──少しあと。水飲み場。


練習後の小休憩で、同じタイミングで煌大と大和が並んだ。

蛇口から冷たい水をすくい上げながら、大和がふっと口を開く。


「結城さんって、いつも余裕ありますよね」


煌大は横目でちらりと見て、わずかに笑った。


「お前みたいに真っ直ぐなやつには敵わねぇけどな」

「……でも、翠ちゃんだけは譲れないっす」


まっすぐに放たれた声。

冗談めかす気配は一切なかった。

煌大もわずかに口元を上げる。


「だろうな。俺も同じだ」


静かなやり取りだった。

けれど、その場に落ちた火種は小さくなく、確かに熱を帯びていた。

二人の視線が交錯する。

互いに引くつもりがないことだけが、はっきりと伝わっていた。


──その気配を、私はまだ知らない。

けれど、二人の胸の奥に宿った決意は、もう後戻りできないほど強くなっていた。





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