I 編む
「橘さん、その二人に、片山さんと北岸さんでしたっけ、信頼されてるんですね。ずいぶん深い話もしているみたいで」
「定期的にミーティングしてますから、自然とそんな話にもなって。ミーティングといってもグチの語り場になっちゃってますけど」
「顔を合わせているからといって、誰にでも気を許すわけじゃない」
聡の目に、ふと昏い陰がさす。
「心に傷を負っている人ならなおさら」
なぜあなたにそんなことが分かるの、と思う。どこからどう見ても、勝ち組でしかない人が。
さすがにそれを問うのは彼の内面に踏みこみすぎだろう。代わりに違う角度から質問してみることにした。
「二階堂さんはどうしてうちの会社を選んだんですか?」
「理念に惹かれて、というと面接の回答みたいだけど。同じような条件を提示してくれる会社はいくつかあったんですけど、最終的には名前が決め手かな」
「な、名前、ですか?」
ええ、とうなずく。冗談で言っているわけではなさそうだ。
「GBBコーポレーション、っていう社名がですか?」
それのどこが決め手なのだろう。
「定期的にミーティングしてますから、自然とそんな話にもなって。ミーティングといってもグチの語り場になっちゃってますけど」
「顔を合わせているからといって、誰にでも気を許すわけじゃない」
聡の目に、ふと昏い陰がさす。
「心に傷を負っている人ならなおさら」
なぜあなたにそんなことが分かるの、と思う。どこからどう見ても、勝ち組でしかない人が。
さすがにそれを問うのは彼の内面に踏みこみすぎだろう。代わりに違う角度から質問してみることにした。
「二階堂さんはどうしてうちの会社を選んだんですか?」
「理念に惹かれて、というと面接の回答みたいだけど。同じような条件を提示してくれる会社はいくつかあったんですけど、最終的には名前が決め手かな」
「な、名前、ですか?」
ええ、とうなずく。冗談で言っているわけではなさそうだ。
「GBBコーポレーション、っていう社名がですか?」
それのどこが決め手なのだろう。