【第一部完結】転生幼魔女は生き延びたい!~唯一無二の力はナイショだよ〜
『仕方ないわねぇ。アナタがそこまで言うのなら、止めはしませんわ』

「ありがとう、まりあべる!」

『た・だ・し。絶対にアタクシも連れていくこと。寝ている間にひとりでコッソリ探しに行くなんて、許しませんことよ』

「えっ……いいの? わたしは、こころづよいけど、でも……キケンだよ?」

『だったら、ますますひとりで行かせるわけにはいきませんでしょう。アタクシ、これでも武術と剣の腕にはそれなりに覚えがありますの。守ってあげますから、ついてらっしゃい!』

 後ろ足ですっと立ち、片方の前足を腰に当てて、もう片方の手で胸をポンと叩いてみせるマリアベル。
 同性でおまけに見た目は可愛らしい猫だけど、うっかり惚れちゃいそうなほど格好いい。

「はい! まりあべる、ありがとう! だい、だい、だーいすきっ!」

「わっぷ! ぐっ、ぐぐぐ、ぐるしい……。締まってる、首、締まってますわっ……!」

「え? あぁっ、ごめんっ!」

 好きの気持ちが溢れて、抱き締める力が少々強かったようだ。
 ハグする腕を緩めると、マリアベルはふぅと息をついた。
 
 それからふたりは目を見合わせ、やるぞと言わんばかりに頷き合う。

「シルフのみんな! さっきのおはなし──」

『もっと詳しく、教えてちょうだいな!』


 こうして前世の記憶に導かれし転生幼女は、多くの人の未来を照らすべく、大人たちの知らないところで密かに動き出すのであった。



< 62 / 86 >

この作品をシェア

pagetop