野いちご源氏物語 四六 椎本(しいがもと)
夕霧(ゆうぎり)大臣(だいじん)様は、六女(ろくじょ)姫君(ひめぎみ)匂宮(におうのみや)様のご結婚を(のぞ)んでいらっしゃる。
大臣様の姫君たちのなかで、特別に(すぐ)れた方なのよ。
それなのに匂宮様はご興味を持たれないから、大臣様は(うら)めしくお思いになっている。

従妹(いとこ)との結婚なんてぱっとしないではないか。しかも夕霧大臣は(かた)(くる)しい人だから、ささいな浮気(うわき)でもお(しか)りになるだろう。そんな家の婿(むこ)になるのは面倒だ」
匂宮様はこっそりそんなことを言って、逃げていらっしゃるの。
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