野いちご源氏物語 四六 椎本(しいがもと)
夕霧(ゆうぎり)大臣(だいじん)様は、六女(ろくじょ)の姫君(ひめぎみ)と匂宮(におうのみや)様のご結婚を望(のぞ)んでいらっしゃる。
大臣様の姫君たちのなかで、特別に優(すぐ)れた方なのよ。
それなのに匂宮様はご興味を持たれないから、大臣様は恨(うら)めしくお思いになっている。

「従妹(いとこ)との結婚なんてぱっとしないではないか。しかも夕霧大臣は堅(かた)苦(くる)しい人だから、ささいな浮気(うわき)でもお叱(しか)りになるだろう。そんな家の婿(むこ)になるのは面倒だ」
匂宮様はこっそりそんなことを言って、逃げていらっしゃるの。
< 58 / 63 >

この作品をシェア

pagetop