激甘な溺愛は警報級
Ⅲ.進展
付き合ってから3週間くらい経っただろうか。
街はクリスマスムードだというのに、まだデートの予定なんてない。
手を繋いで歩くことも、2回目のハグも、キスも…進展無し。
休日に2人で出かけることもまだ叶っていない。
勿論、沙夜ちゃんからの好きの言葉やそれに準ずる行為も無い。
そういや、絃とか絃くんとか、王子谷くんとすら呼ばれたことないっけ。
俺の片想いはいつまで…。
気が遠くなる。
ある日の昼休み。
沙夜ちゃんに話してみた。
「クリスマスの予定は?」
「…特に」
「一緒に過ごしたい」
「うん」
ただ愛想良くにこっとしただけだった。
彼氏と過ごしたいものじゃないの?
たまたま予定空いてたから、俺との予定入れただけ?
少し苛立った。
放課後、彼女はそそくさと教室を出て行った。
荷物はそのままだから、何か校内に用事があるんだろう。
待っているうちに、教室はガランとしていく。
帰宅する者、遊びに行く者、部活に勤しむ者、塾で勉強に取り掛かる者…。
沙夜ちゃんが戻ってくる頃には、俺と彼女の2人きりだった。
「おかえり」
「あっ…うん。先帰ってて良かったのに」
「毎日一緒に帰ってるじゃん。1人で帰るわけないでしょ」
「そっか」
なんとなく彼女がよそよそしい気がした。
距離を感じるような、そんな感じ。