背中、だけ

1


波を打つシーツに足を投げ出す。

先ほどまで人の体温を吸い込んだシーツは、まだほんのり温かい。

角にできたシーツのしわをぼんやり眺めながら、頭は全く別のことを考えていた。


「ビール、飲む?」

ホテルに備え付けの冷蔵庫を物色しながら、澤田はのんきな声であたしに尋ねる。

「酔いたい気分じゃない?」

奴はいつも的確だ。
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