夏と先生と初恋。
第三楽章
ファーストペンギン
「できてない。もう一回」
紗希先輩は変わらない。
オーディションが終わって、正直、紗希先輩との関係が怖かった。
もともと特別仲が良かったわけじゃないけれど。
どう声をかけたらいいのかわからなかったし、今でもわからない。
そんなわたしにも紗希先輩は何も変えない。
相変わらず厳しいし、当然紗希先輩も上手い。
「そこ、ソロのところ。最後の音もっとしっかり吹いて」
「っ、はい」
ソロへのアドバイスだってたくさんくれる。

