夏と先生と初恋。
「お前、全然寝てないだろ」



涼、怒ってる。


当然か。


涼は止めてくれたのに、わたしが勝手に無理したから。



「…ごめん」


「ごめんじゃなくてさ、」



涼が言いたいことはなんとなくわかる。


わかるけど、今は涼の言うことは聞けない。



「り、涼くん、今はひまちゃんも起きたばっかりだし、わたしたちは部活もどろう?」


「…わーったよ」



わたしたちが喧嘩し始めそうな雰囲気を察したであろう沙耶が、止めに入ってくれた。



「…部活」


「は?お前、行く気?」



再び涼にギロリと睨まれる。



「…吹かないと」


「ひまちゃん、今日は休もう?ね?」



わかってる、本当は自分が1番わかってる。


もう限界だって。


休まないといけないって。


わかってる、はずなのに。



「大丈夫、沙耶。吹けるから」


「…マジでお前ふざけんなよ」



涼が自分の手を強く握りしめたのが見える。
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