雨の王妃 ~私を押しのけて自分が聖女だと言ったくせに、失敗したら、生贄になると聞いた途端、私が聖女だと言ってきました~
「ま、まあ、それはともかく、この国が雨が降らなくて困ってるのは間違いないんですよね」
 龍美は立ち上がり、高い位置にある明かりとりの窓を見る。

「せっかく呼ばれたのだから、なにかお助けできることがあるといいんですが」

「なに綺麗事言ってんのよ」
 リラは立ち上がり、鉄格子をつかむと、叫びはじめた。

「出してっ。
 ここから出してよっ。

 綺麗な服を着せて、美味しいものを食べさせて、イケメンをはべらせてくれたら、雨を降らせるからっ。
 私は聖女よっ」

 すごい。
 いっそ、清々しいくらいおのれの願望しか言ってない。

「アニキと呼んでもいいですか?」
と思わず言って、誰がアニキよっ、と怒られる。





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