部長と私の秘め事
 賭け方は色々あって、私が想像していたように、赤か黒の何番と、ピンポイントでやらなくてもいいみたいだ。

 ベッティングエリアには1から36の数字が三列ずつ書かれたマスの他に、1から12のグループを一括りにしたファーストダズン、セカンドダズン(13から24)、サードダズン(25から36)の範囲指定したマスがある。

 他にもローナンバーと呼ばれる1から18のマス、ハイナンバーと呼ばれる19から36のマス、イーブンという偶数マス、オッドという奇数マス、加えて赤と黒のマスがある。

 他にも数字の縦の列に賭ける、ファーストコラム、セカンドコラム、サードコラムがある。

 アウトサイドベットという賭け方は、数字マス以外にチップを置く方法で、範囲が広いので勝てる確率は高いけれど、配当金は低い。大体、二倍から三倍だ。

 インサイドベットという方法は数字を指定する賭け方で、中でも一マスだけに賭けるストレートアップは三十六倍の配当金が得られる。

 二マスに賭けるのはスプリットと言い、十八倍の配当金になる。十四と十五なら、その間にチップを置く。

 ストリートは三マス賭けで、たとえば二十八、二十九、三十の横一列に賭けるなら、その端にチップを置く。配当金は十二倍だ。

 四マスの中央にチップを置くコーナーは九倍、0、00、1、2、3の五つの数字に賭けるファーストファイブは七倍、六マスに賭けるラインは六倍だ。

 尊さんの話では、グルグル回るウィールにも、世界中のカジノで種類があるらしく、36までの数字と0と00があるのはアメリカンタイプ、ヨーロピアンタイプは00がなく、マカオタイプは36までの数字とカジノのマークがある。

 当然、マス目が少なくなるほど当たる確率が高くなる。

「わ~、ドキドキする!」

「まず俺と尊がやってみるから、ワンゲーム見学したら?」

「はい!」

 二人とも慣れた様子で席に着き、カラーチップをベットしていく。

 私は尊さんの背後に立ち、両肩に手を置いた。

「ん?」

「運が上がりますように! 念を送ってます」

「ははっ、サンキュ。御利益ありそうだな」

 私と恵はドキドキしながらルーレットの様子を見守る。

 と、恵がボソッと言った。

「『スピニングアップ』って、丁か半かの『入ります』と同義だよね」

「ぶふっ、それ!」

 そんな話をしていると、あっという間にボールが赤の27に入り、尊さんが「よしっ」と小さくガッツポーズをとり、涼さんとハイタッチした。

「よく分かりませんが、勝ったんですか?」

「朱里の赤に、二十六歳の二十六……は黒だから、今年二十七になると思って。運試しのストレートアップとストリートで勝った」

「えええ! 凄い!」

 私は小さく拍手する。

「俺は黒メインで賭けて、朱里ちゃんにあやかって赤にも入れておいたから、ちょっと勝てたよ」

 涼さんはそう言い、恵に向かって「隣においで」と手招きする。

 次のゲームは私たちもベットする事になり、どこにどう賭けようか緊張してくる。

「初心者は無理しないで、アウトサイドベットで大雑把にいったほうがいい」

 尊さんはそう言って、もう一度外側のマスの説明をしてくれる。

「じゃあ、ちょっと冒険して赤の奇数でいってみます!」

 それを聞いた恵も、決意を固めたようだ。

「なら私は黒の偶数で」

「俺も恵ちゃんにあやかって、黒の偶数、ファーストダズンで」

「えっ、やだ。外したら気まずいので、相乗りやめてください」

「まぁまぁ、当たっても外れてもゲームだから」

「お金かかってるんですよ……」

 そんな会話を聞きながら、私と尊さんもベットし終わり、結果が出るのを待つ。

 結果、黒の10が出て、恵も涼さんもドンピシャだった。

「あぁ~、楽しいけどドキドキする。これ、嵌まったらヤバイですね」

「まぁ、あと二、三ゲーム楽しんだら次行こうか」

 尊さんにそう言われ、私たちは少しずつ理解してきたルーレットを楽しみ、テーブルを離れた。

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