年下研修医の極甘蜜愛
臨床実習と卒業後の研修先の検討をかねて、わざわざ県を二つまたいで病院の見学に来てくれたらしい。彼はこの春、二年に進級したばかりの十九歳。まだ先なのに、就職活動についても考えている、意欲的な学生だと上司から聞いている。
「ひろさき、あやさん」
ふいに名前を呼ばれて驚く。彩は、自分の胸元にさがっている名札に一瞬目をくれた。名札には役職名と、氏名が漢字で印字されている。
「それほどめずらしい名前でありませんけど、よく間違われます」
彩がほほえむと、今度は医学生が驚いた顔をした。
「えっ?」
「わたしの名前、あやじゃなくていろって読むんです。今日は、遠いところお越しいただいてありがとうございます。よろしくお願いしますね、藤崎さん」
仁寿を医局内に案内しながら、手荷物を預かる。
この日は病棟の見学に加えて、循環器専門の若い医師が症例を提示して疾患について講義するというので、他にも数名の医学生が来ていた。しかし、県外から参加しているのは仁寿だけで、他は県下の学生ばかりだ。
「F大の藤崎さんです。藤崎さん、こちらがK大の竹内さんで……」
彩は、先に席についていた医学生たちに仁寿を紹介して、人数分のお茶とお菓子をテーブルに並べる。社交的な性格らしく、仁寿は初対面の学生たちとすぐに打ち解けた様子だった。