メロンクリームソーダトライアングル

 「どうかした?」



 バックハグ状態の翔太君に顔をのぞきこまれ、しまったと肩が跳ねた。



 「なんか辛いことでもあった?」

 「若葉さ、俺らに隠してることあるんじゃねーの」



 心配そうに揺れる3人分の瞳が僕を捕えてくる。

 やめて欲しい、優しくしないで、余計に笑えなるから。



 「しょっ将来が不安なだけ。第一志望の大学に受かるかな僕の頭で、なんて考えてた」



 頭をかきアハハと笑い声をつけ加えてみたものの、顔の肉のひきつりは隠しきれない。



 「もっと言ってみ言ってみ、若葉の悩み。俺らで解決してやるから」と、バックハグを解除した翔太君が僕の髪を乱暴にかき乱した時だった。



 異常なほどのざわつきで、教室中が浮き足だったのは。




 「そろって拝めるなんて奇跡なんだけど!」

 「双子王子が並ぶと神々しさが増すよね!」



 女子がキャーキャー騒いでいる。



 「眼福だよぉ、網膜にスクショスクショ!」



 悲鳴や泣き声も混ざっているから、ただ事じゃないんだろう。

 振り返ろうと思った、現実を確かめたくて。

 でも無理だった、1テンポ遅かったんだと思う。


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