メロンクリームソーダトライアングル
「思いだしたんだな、全部」
うつむく僕の頭にふりかかった乱暴なため息。
鼻頭がツンとうずき、「なんで?」と悲しみが漏れた。
「甘音を傷つけたかった。若葉を奪えはあいつの悔しそうな顔が拝めると思った。ただそれだけ」
紅亜くんは夕焼け空に視線を逃がしながら、面倒くさそうに頭をかいている。
僕は双子の兄弟げんかに巻き込まれただけだった。
紅亜くんに愛されていたわけじゃなかったし、甘音くんも僕との縁が切れてせいせいしているに違いない。
「大嫌いになっちゃった……メロンクリームソーダ……」
もう二度と飲みたくないし、瞳に映したくもない。
こみあげてくる悲しみを押し殺し、泣きそうな顔でなんとか微笑んだ僕は
「だからもう……僕に関わらないでね……」
涙がこぼれる前に、嘘つきな幼なじみの前から走り去った。