メロンクリームソーダトライアングル
「最近は一人で帰ってるみたいだし」と、切り出した龍之介君は
「お互いバイトがあるからって若葉は言ってたけど、紅亜くんがうちの教室に乗り込んで若葉に絡まなくなったことも気がかりでさ」と、眉をひそめた。
「ほんとに何も聞いてない? 紅亜くんの双子の兄で若葉と幼なじみだよな?」
龍之介君の吊り上がった目が、俺を責めている。
いや、彼に悪気はない。
若葉が心配なだけ、真相が知りたいだけなんだ。
「本当に聞いてないんだ、ごめん」
「若葉って自分が辛い状況に置かれても、他人を頼らないところがあるじゃん」
「内に秘めてじっと耐えてたりするよね」
「それでいて、俺たちいつメンのやっかいごとは首突っ込んで解決してくれるわけ。たまには恩返しさせろって思うじゃんか」
胸の内を吐き出してスッキリしたのかヤンチャ笑顔を取り戻した龍之介君は、「昼休み邪魔してごめんな」と手をひらつかせ去っていった。
ベンチのひじ掛けにひじをつき、手の甲にあごを乗せ、秋風で揺れる木々をぼーっと見つめる。