ハル
「お前、なにか知ってるな?」
途中で声をかけられて考えが白紙へと戻ってしまった。
顔をあげると目の前に愛の父親が立っていた。
その目はランランと輝き、獲物を目の前にした野獣のようにみえた。
今にも牙を向いて噛みつかれてしまいそうだ。
「なにを知っている?」
「……なにも知らない」
「嘘をつけ!」
間近で怒鳴られて体が震えた。
下唇を噛み締めてグッとこらえる。
そしてまた脳裏で冷静に考えた。
ピュッ、ピューピューピュー、ピュ
ピュッピュッ
ピュ、ピュー、ピュッ、ピュー
ひとつずつ、日本語に変換する。
最初の文字は『ぜ』。
次の文字は……。
「大切なものを守るのが。私の役目」
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