【マンガシナリオ】義兄妹じゃいられない。〜エリート弁護士は義妹を溺愛し尽くしたい〜

第5話



颯希に向かって微笑みかける初のカット(颯希目線なのでキラキラでかわいらしく)。

颯希モノローグ【いい義兄でいようと思っているのに、傍にいればいる程義兄ではいられなくなる――】


○現在から2年前・バスの中
満員とまでいかないが、混んでいるバスに揺られている颯希、当時27歳。


颯希モノローグ【今の勤め先である二条法律事務所に勤め始めて一年、弁護士になって二年目。
当時の俺はまだまだヒヨッコだった】


颯希(はあ、疲れた……)


疲れた表情で深い溜息を吐く颯希。


颯希モノローグ【元カレにストーカーされていたという依頼人の女性、案件自体は示談で解決したが何故かその後も俺のことをしつこく訪ね、断っているのに何度も食事に誘われたりして参っていた】


颯希に色目を使う依頼人女性を思い出し、更に溜息が深くなる颯希。


颯希「はあ……」


颯希の少し離れたところで赤ん坊を抱っこ紐で抱えている母親が立っている。
赤ん坊がぐずっており、母親が必死にあやしている。
その隣で母親と赤ん坊をうるさそうにイライラした表情で睨み付けているおばさん。


颯希(誰か席代わってやれよ……)


バス停に到着し、扉が開く。
降りる直前、隣にいたおばさんが母親とすれ違いに抱っこ紐を引っ張る。
抱っこ紐が解けて赤ん坊が落ちそうになる。


颯希「! 危ないっ」


落ちそうになった赤ん坊を咄嗟に支えたのは、近くに立っていた女子高生の初。
当時高3でこれから大学受験に向かうところだった。


初「あぶなかった……」
母親「あ、ありがとうございます……っ」


突然のことにパニックになり、泣きそうになる母親。
初はニコッと微笑んで赤ん坊を母親に渡し、キッとおばさんを睨み付ける。


初「あなた、自分が何をしたかわかってるんですか!? 一歩間違えたら赤ちゃんが死んでいたかもしれないんですよ!」


すごい剣幕でおばさんに捲し立てる初。
おばさんは自分は何もしていないと言わんばかりに知らん顔する。


颯希「――彼女の言う通りだ」


一歩前に出る颯希。


颯希「今のあなたの行為、傷害未遂、または殺人未遂にあたる。悪ふざけでは済まされない」
おばさん「っ、私がわざと落とそうとしたとでも言うの!?」
颯希「あなたが抱っこ紐を見て引っ張る姿を見ていましたよ。これが故意ではないとでも?」
おばさん「……っ!」
颯希「傷害罪は15年以下の懲役、または50万円以下の罰金となる。殺人未遂は同等かそれ以上の懲役だろうな。法に携わる者として、あなたに故意があったことはしっかり証言しよう」


冷徹な視線を向け、弁護士の肩書きが書かれた名刺を見せる颯希。
颯希の言葉に顔面蒼白になるおばさん。
驚いたように颯希を見つめる初。


おばさん「す、すみませんでした……」


○バス停前
赤ん坊を抱きしめ、泣きながら何度もお礼を言う母親。


颯希【警察には突き出さない代わりにきっちり慰謝料を払わせることにした。その場の成り行きだったが、俺が弁護士として代理人になることになった】


母親「本当にありがとうございました……っ!」
颯希「いえ、お礼ならあの子に」
母親「実は助けてくれた高校生の子、いつの間にかいなくなっていたんです」
颯希「えっ」
母親「何だかすごく急いでいたみたいで。きちんとお礼がしたかったんですけど……」
颯希「そうですか」
颯希(正義感の強い子だったな)


○数ヶ月後・オウルカフェ
仕事の合間にコーヒーを買いに来た颯希。
カウンターにいる初の姿に目を見開く。


颯希(あの子は、あの時の!)
初「いらっしゃいませ!」
颯希「……」
初「? ご注文はいかがされますか?」
颯希「あ……ブレンドコーヒーで」
初「かしこまりました!」
颯希(俺のこと覚えてないか。それはそうだよな)

初「お待たせいたしました。ブレンドコーヒーでございます」
颯希「ありがとう」
初「ありがとうございました! お楽しみください!」


ニコッと満面の笑みを浮かべる初。


颯希モノローグ【それからほぼ毎日カフェを訪れるようになった。
いつ来ても笑顔で応対してくれる彼女のことが何となく気になっていた】


颯希(大学生になったか、下手したらまだ高校生なのに……)


腰の曲がったおじいさんに対し、目線を合わせて尋ねる初。


初「何かお手伝いできることはありますか?」
おじいさん「ああ、ありがとう」


おじいさんに笑いかける初のことを眩しそうな視線で見つめる颯希。


颯希モノローグ【周囲の人に心遣いを持って接することのできる彼女のことを、何故か視線で追いかけてしまう】


○事務所
デスクで頭を悩ませながらコーヒーを飲む颯希。

颯希(弁護士なのに未成年が気になるとか……シャレにならないだろう)


○一年前・レストラン
顔合わせで父の再婚相手と会うシーン。
初の姿に驚く颯希。


颯希モノローグ【だがまさか、義妹になるなんて思ってもみなかった】


四人で食事をするシーン。
緊張した面持ちの初。


初母「いっそのことお兄ちゃんって呼ばせてもらったらどうかしら?」
鷹宮「ははっ、それはいいなぁ!」
颯希「いやいや……好きに呼んでくれていいよ、初」
初「お、お兄ちゃん」


一瞬固まる颯希。


初「お兄ちゃんって……呼んでもいい、かな?」
颯希「うん、いいよ」
颯希(お兄ちゃん、か……)


笑顔を浮かべながら複雑な胸中の颯希。


颯希モノローグ【その後親の意向で初と暮らし始めた。初との生活はとても楽しかった】


1〜4話にあった初とのシーンの数カット。
初との回想ダイジェスト。


初「お兄ちゃん!」


颯希に向かって微笑みかける初のアップ。
愛おしそうに初を見つめる颯希のアップ。


颯希モノローグ【だけど、一緒にいる度に抑え込んでいた気持ちが膨らんでいく。
もう隠し切れない程に、初のことを――】


○現在・法律事務所内
昼休み、初の作った弁当を嬉しそうに食べる颯希。


ひばり「鷹宮先生、少々よろしいでしょうか」
颯希「ひばり先生」


颯希モノローグ【彼女は同僚の二条ひばり弁護士。二条法律事務所の所長の娘だ。
所長と紛らわしいので皆ひばり先生と呼んでいる】


ひばり「実は、鷹宮先生にご相談したいことがあって。今夜お時間いただけませんか?」
颯希「相談?」
ひばり「今抱えている案件がちょっと複雑で、鷹宮先生の意見も聞きたいんです」
颯希(彼女がそう言うとは、よっぽどのことなんだな)
颯希「わかりました」
ひばり「ありがとうございます」


ホッと安心したように笑みを浮かべるひばり。


ひばり「できればあまり聞かれたくないので、事務所ではないところでお願いしたいのですが。行きつけに個室の小料理屋があるのでそこでも大丈夫でしょうか」
颯希「構わないですが……」
颯希(初に夕飯は食べてくると連絡した方がいいな)
颯希「あまり遅くならないと有難いです。妹を一人で待たせているので」
ひばり「義理の妹さんでしたっけ。お父様が再婚されたとか」
颯希「ええ、かわいくて目が離せないんです」


無意識に優しい表情を浮かべる颯希。
颯希の表情に驚き、傷ついたような表情を浮かべるひばり。


ひばり「……変わったね、鷹宮くん」
颯希「え?」
ひばり「いえ、何でも。ありがとうございます」


ニコッと笑顔をつくるひばり。


○大学・講義室
講義終わり、颯希からのメッセージに気づく初。


颯希《今日はありがとう。お弁当美味しかった》
颯希《夜は遅くなる。悪いけど食べて帰る》

初「お弁当食べてくれたんだ……! 了解、気をつけてね、っと」


嬉しそうにしながら返信を打つ初。


初(今日は夜までバイトだし、そのままカフェでご飯食べちゃおうかな)


○夜・オウルカフェ
シフト終わりに夕飯を食べて帰る初。


初「オムライス美味しかったぁ。……あれ?」


何かに気がつく初。
颯希とひばりが事務所から出ていくところ。
仲良さそうに見える。


初(えっ、お兄ちゃん……?)


ヒュッと心臓が掴まれたような感覚に陥る。
颯希が女性と並んで出てきたことに動揺を隠せない。


初(今日は遅くなるって言ってたのに、まさか――デートだったの?)


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