ナルシストと恋は de キュン!





「ご苦労さま。最後にこの駅で見失ったんですね?」
「はい、宗志さま。申し訳ありません」

 先週、美柑たちの住んでいる街で会った探偵の一人が改札口の近くで待っていた。

 事情を聞くと、鳴雄サマを追っていた探偵は、電車から降りたはずの鳴雄サマが急に電車に乗ったので隣の出入り口から慌てて乗ったら、寸前でまた降りてしまって、電車が探偵を乗せたまま発車して見失ったそうだ。

 これは明らかに尾行がバレていたパターン。

 でも美柑のような素人ならいざ知らず、本業にしている追跡のプロに気づき、かつ逃げ切るなんて、やはり鳴雄サマは只者ではない。

「それでどうするの、宗志くん?」
「はい、ここからは手分けして聞き込みをしようかと」

 駅から半径数百メートルの範囲で、探偵を入れて5人バラバラに行動し、鳴雄サマのSNSで自撮りした画像を見せながら聞き込みを行おうということになった。

 さっそく皆と別行動を始めた美柑は、ガード下で遊んでいる小学生の男の子2人に声をかけた。

「ああ、穢淵(えのふち)村の……」
「バカっ⁉ ――ごめんなさい。わかりません」
「今、そっちの子が、村の名がどうとか言いませんでした?」
「いいえ、言ってません。俺たちこれから塾があるんで帰ります」
「えっ――」

 




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