大好きだった元彼と再会しましたが、私はもう結婚しています。

「ほんとに……上司にこんなことさせてすみません」
「いいよ。それにもう、プライベートでは部下とか上司とか関係ないつもりだけど」
「そう、だね」

 私が敬語を崩すと、彼は嬉しそうに笑った。

 片付けが終わる頃、急に体が冷えたような、妙な感覚が走った。

(あ……)

 最悪なタイミングで、生理が来たと気づいた。お手洗いに行くと確かにそうだ。

「……ごめん。今、生理きちゃった」

 申し訳なくて目をそらした私に、穂高は柔らかく笑った。

「謝ることじゃないだろ」
「でも……なんか、すっごいタイミング悪い」

 ぽろっと本音がこぼれていた。

 だって私は、ずっとそういう欲は無くなったと思ってた。結婚してた時もほとんどなくて。
 きっとアメリカにいた頃に置いてきちゃったんだろうってずっと思ってた。

 でも、今、確かに感じる。

「……穂高としたかったのに」

 したいって湧き出る気持ち。
 したかったのにできない、すごくもどかしい気持ち。

 でもそこまで言っておいて、自分が言ったことを思い返せば、ぼっと顔が熱くなる。

(私、最初から破廉恥な発言しちゃってるよね⁉︎)

 でも、穂高といると素直すぎる自分が戻ってきちゃうみたいだ。

 反省している私に「俺も」と、穂高が笑った。
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