大好きだった元彼と再会しましたが、私はもう結婚しています。

「俺は千紘を失ってから、本当に後悔ばっかりだった。なんで手を離したのか。何が一番大事だったのか……ずっと、何度も考え続けた。そんな時だった。姉さんの社長就任の話を聞いたのは」
「すごいですよね。瑞穂さん」

「あぁ。父の考えを変えるまで、何年も戦ってきて、結局ちゃんと父さんも納得して社長になった」

 そう言って、穂高は小さく息を吐く。

「姉さんに『うちの開発部は私が基礎を作ったから面白いわよ。それに、開発部員も私が就職のときから面接で決めたんだから面白い子ばっかり! 私も来てくれたら助かる』って言われて、資料を見ていたら、特許の書類にある名前を見つけた。千紘の名前だ」
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