大好きだった元彼と再会しましたが、私はもう結婚しています。
「え、普通に自分の給料から家賃払ってるけど。匡輔、とりあえず今の家はどうしたの? 美晴さんと一緒なんでしょ?」
「勝手に出ていって、勝手に家も引き払いやがった」
「は?」

 ますます意味がわからなくなる。
 よくよく聞いてみれば、美晴さんが家賃を払って家を借りていたが、彼女は家を出て、それからすぐ勝手に家も引き払われていたらしい。

「そもそも何したら、そんなことになるの!」
「美晴がさ、金がないだの、我慢できないだのってうるせぇから、『お前は身体使えばいくらでも稼げんだからそれくらいしろよ!』って言っただけだよ。暴力とか、そういうのじゃないぞ」

 ほんと女は稼ぐの楽でいいよな、と匡輔は加えた。

 ……想像以上にひどい。
 私は言葉を失った。だけど、何とか息を吸い言葉をつなぐ。
< 153 / 209 >

この作品をシェア

pagetop