大好きだった元彼と再会しましたが、私はもう結婚しています。

 それからも、穂高はなんだか忙しそうで、席にいない日や出張が増えた。
 けれど、私は開発と研究に手を抜かず、自宅で穂高に会えば、一緒に食事をとりながら、会社での出来事を共有したり相談したりしていた。

 ――それから二週間ほどした朝。

 出勤すると篠田さんがロッカーにいた。
 私が「おはようございます」と言うと、篠田さんも「おはよう」と返してくれる。篠田さんは続けた。

「そういえば、ついに決まったんだよね。寂しくなるわよね」
「決まった?」
「部長の異動よ。坂下のことも解決して、安心したって感じじゃない? 部長って優しいわよね」

 私はその言葉に、頭が真っ白になった。
< 175 / 209 >

この作品をシェア

pagetop