大好きだった元彼と再会しましたが、私はもう結婚しています。

「シマ、すき〜」

 和穂が嬉しそうに声を上げる。
 彼はすっかり島さんのファンだ。

「和穂、『シマ』じゃなくて、『シマさん』ね」
「シマでいいって言ったもん!」

 難点といえば、島さんが甘すぎること。
 そして甘すぎると言えば、私の母も、穂高のお父さんまで、もうみんな総出で和穂には驚くほど甘い。

 あの父があんな緩んだ顔をするのか、と最初に見たときの穂高の驚きようは、本気で面白かった。

 子どもの存在というのは、本当にすごい。

 いろんな関係を、いつの間にか優しくつなぎ直してしまうのだから。
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