大好きだった元彼と再会しましたが、私はもう結婚しています。
しばらくして戻ってきた篠田さんは、目の端が少し赤かった。
でも、さっきよりずっとすっきりした表情をしている。
私は彼女のそばに行き、問いかける。
「篠田さん、大丈夫ですか?」
「あー……うん。部長になにかあるんだろうって、全部見透かされてたみたいでさ。仕事のことだけじゃなくて、ちょっと話聞いてもらったらスッキリした」
「そうなんですね」
「……実は旦那の母親のことで色々あってね。足が悪くてうちに呼んだんだけど、本当に大変で……。あ、みんなには言わないでね」
「はい。でも、私にも何かできることがあったら言ってください。ほら、私の離婚のとき、逆に皆さんに迷惑をおかけたし」
「迷惑なんかじゃなかったわよ。むしろ聞いたとき殴りに行きたくなったくらいだったんだから。私こう見えて拳は強いの」
真剣な顔で言われて、私は胸が熱くなった。
「ありがとうございます。その……今言っていただいた『迷惑じゃない』って気持ち、私も同じなので。本当に、いつでも声かけてください」
「うん……ありがとう」