大好きだった元彼と再会しましたが、私はもう結婚しています。
 ――翌日。

「申し訳ありません!」

 篠田さんの声が響き、思わずそちらを見る。
 彼女が提出した書類に不備があったようで、彼女は部長のデスクの前でしゅんと肩を落としていた。

 その前に座る穂高が、落ち着いた声で書類を指差す。

「ここの項目は、初見なら間違えてもおかしくないところだ。そこまで気にしなくていい。反省してるなら次は大丈夫だ。心配なら俺に聞けばいい」
「ありがとうございます。本当に申し訳ありませんでした……」

 篠田さんは普段ミスの少ない人だ。だからこそ余計に落ち込むのもよく分かる。
 穂高は少し考えてから、ふと問いかけた。

「コーヒーとお茶、どっちが好きだ?」
「えっ……こ、コーヒー……?」
「じゃあ、ちょっと休憩しよう」

 そう言うと、穂高はすっと席を立ち、篠田さんを連れて開発室を出た。
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