俺様御曹司はパイロットになって愛しい彼女を迎えに来る
向こうではメイドさんがいて彼女たちの作る料理が出身国のタイ料理だったり肉を焼いたものに付け合わせに野菜を同じように焼いたものとかが多かったので、和食なんかは出てこないそうだ。

それはそうだろう。日本人のメイドさんがいるならまだしもタイ出身や地元カナダの人に和食の家庭料理を望むほうが無理な話だ。

和食を食べたければ高級ホテルの和食レストランに行くしかなかったらしい。

それにはお金がかかるし、高級和食レストランでは家庭料理なんかはメニューにはないだろう。

それでも隼人の誕生日や何かのイベントごとに和食レストランに行くのが唯一の楽しみだったと言っている。

そういえば隼人の母親はカナダ人のハーフでカナダ育ちなのだから、和食は見様見真似で作る冷ややっこや魚の干物を焼いたもの位しか作れなかったはずだ。

煮物なんかは日本に居る時にも家ではあまり出てこなかったそうだ。

だから隼人は高校でも空が作る弁当が大好物で仲良くやっている時は、時々弁当を作って持っていくと大げさなほど喜んだ。

高校生の時には、健吾と二人でしょっちゅう空の家に来てはご飯を食べていた。

隼人は空の作る料理が大好きなのだ。可愛い奴だ。

でも、メイドがいる家って、カナダで隼人はどんな生活しているのか?

隼人のお父さんはよっぽど出世したんだろう。

このマンションも賃貸にしては豪華すぎる。きっと分譲マンションだろう。

玄関を入るとコンシェルジュが居たり、室内の設備も空達のマンションとは大違いだ。

確かジムもあるとか言っていたような気がする。隼人はこのマンションを買ったのかもしれない。それか投資に買った人が賃貸として貸し出している物件かも…

再会した隼人は、どこかセレブ感を醸し出しているしカナダに行ってからの生活がまるで不明なのだ。

空は、隼人が少し遠い存在になったような気がして心許かった。
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