俺様御曹司はパイロットになって愛しい彼女を迎えに来る
それからもう6年近くにになる。

高校でも隼人は人気があった。隼人のおばあ様がカナダ人で隼人はクオーターになる。

だから背も高く髪の色はアッシュブラウンで、瞳は少し青みががった色をしている怒ると青が濃くなるのだ。

顔の造作もハーフのようでどちらかというと外人ぽい顔をしている超の付くイケメンだ。

隼人の夢はパイロットになることで日本の航空大学からカナダの航空大学に編入できたらしい。

今頃は、カナダの空を飛んでいるのかもしれない。

ロッキー山脈の上を飛んでいたり、カナダの大自然の中、空を飛ぶって気持ちがいいだろうなあ。

もうカナダに行って6年たつので今の隼人はどんな大人になっているのだろう。

きっとイケメンに磨きがかかって女泣かせのプレイボーイにでもなっているかもしれない。

“会いたいなあ“そんなことを思いながら、空を見上げていた空は首が痛くなってきた。

でも今日は飛行機雲との遭遇は期待できない。

空は飛行機雲を引っ張りながら飛んでいく飛行機が大好きだ。空の携帯の待ち受けもそんな飛行機雲と飛行機だ。

子供の時に見た飛行機雲の次に、高校の時に見たその光景は今までで二番目に素敵な飛行機雲だった。

子供の時に写真が取れなかったのが残念だ。仕方がない5歳の子供が携帯持っているわけがない。

それでもあの飛行機雲と太陽に向かっていくように空を翔けていた飛行機の映像が忘れられない。

それを超えるものには未だ遭遇できていない。

この写真を撮った時も隣には隼人がいたなあと、思いながら、前を向いて歩き始めた。

「おい、空、また空ばっかり見ながら歩いてるとドツボにはまるぞ」
< 3 / 64 >

この作品をシェア

pagetop