俺様御曹司はパイロットになって愛しい彼女を迎えに来る
空にはもう肉親は父親だけだが、その日父親の姿はなかった。

期待していた訳ではないので気にしなかったが却って父親の事はいないものとして、考えていけばいいのだと思えた。

結婚式の招待状を送らなければよかったと反省した。気を使わせて嫌な思いにさせたのかもしれない。

一応父親からは現金書留で五万円のお祝儀が届いていた。

これくらいしかできないので申し訳ないと書かれていた。

空は子供が生まれても父親には知らせない方がいいのだろうと納得した。

でも、空には健吾と美空の二人の親友と隼人のご両親におばあ様、そして小夜子さんにご主人の道端会長と温かい人達がいてくれる。

大好きな親友の健吾と美空夫妻は、今でも変わらず親交がある。

そして何より空の隣でちょっと俺様の優しい隼人がいつも空を気遣ってくれる。

空はそんな隼人の体調管理にも余念がない。空の料理が大好きな隼人の為にお料理のレパートリーを広げていくのも空の楽しみだ。

愛する人に愛を返してもらえる奇跡と幸運にそっと感謝するのだった。

そして今は亡き祖父母に“おじいちゃん、おばあちゃん空は大好きな人とこれからも人生を歩んでいくから、空から見守っていてね”と心の中で呼びかけた。

“空ちゃん、幸せになるのよ”と優しい祖母の声が聞こえたような気がした。

今日も空は大好きな空を見上げて飛行機が飛んでいくのを見守っている。

                              完
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