天下無双なヴァンパイアは番を探し続ける
1章

プロローグ

「ごめんね……夜翔(よると)


弱々しく、すぐに消えそうな声が白い殺風景の病室に響いた。


病室の中のベットの上で一人の女の子が横たわっていた。


その顔には、まったく血の気がなく、真っ青だ。


「お願いだ…っ」


その隣には銀髪の男の子がいる。


「でも、自分を責めないで……。っ……夜翔と過ごした日々は、すっごく楽しかった」


夜翔と呼ばれた少年は「っ……そんなこと言わないでくれ……」とこぼす。


その頬に一筋、涙が流れる。


その様子を見た少女──凛夜(りんよ)は、ずきりと心が痛くなる。


(自分のせいだ……。夜翔を悲しませて、その心に傷を残してしまう……)


「必ず探しに行く。待ってろ」


凛夜の心を読んだかのように、夜翔は揺るぎのない決心を表しているように強い声で言う。

凛夜の瞳から涙が溢れた。


「うん。待ってる。私もあなたに会いに行くね……」


──それが、凛夜の最期の言葉だった。

凛夜はその名前のように、静かに、はかなげなく、命の火を消した。

その横顔はまるで眠っているようで、起きそうなのに、凛夜はもう起きないのだ。


「っ〜〜──……!」


それを理解したとたん、夜翔は声にならない叫びを出していた。病室の中でその声が木霊するも、誰も答える人はいなかった──

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