天下無双なヴァンパイアは番を探し続ける

◇◇◇◇◇◇


影牙(かけが)学院のボスの存在である、神牙夜翔(しんがよると)は最愛の番がいなくなってから暴れるようになった。

夜翔が一旦暴れ出すと、気が済むまで誰も手をつけれなかった。


「違う牙族とぶつかれば、必ず勝つ」


いつの間にか、そう噂され、いつしか彼はこう呼ばれるようになる。


「天下無双」


だが、どれだけ暴れても、一人だという孤独感が和らぐことはなかった。


──あの日、番の月咲凛夜(つきさきりんよ)がいなくなってから、心に穴が空いたようだった。

それでも、唯一心の支えだったのは、最後に交わした約束だった。


『必ず探しに行く。待ってろ』その言葉に凛夜はしっかりとうなずいた光景は今でも新鮮に蘇ることができる。

あの約束だけが、彼を生かしていると言っても多言ではない。


そして、夜翔が暴れる時は、治安や犯罪を犯している悪い牙族を倒すためと、凛夜の生まれ変わりを探すためだった。


──つまり、彼は牙族だけでなく、暴走族の仕切りをしていたのだ。凛夜が安全に生きれるように。


今となっては、そのことを知っている人はいない。
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