星に願いを。

元気でね


初めて出会った日のこと覚えていますか。



朝は苦手だ。理由は単純。眠たいから。
眠ったままでいいなら、眠り続けるがそういう訳にはいかない。
学校に行って、勉強しなきゃくちゃいけない。それはもちろん将来のため。
将来、わたしが苦労しないように。


アラームを止めて、眠たい身体を気合いで起こす。


私は一人暮らしだ。一人暮らしを始めてからそろそろ1年半くらい経つ。さすがにそろそろ慣れてきた。

一日は、軽く部屋の掃除をしてから朝ごはんを作ることから始まる。今日も掃除を終わらせてキッチンに立って冷蔵庫を開ける。今日は何を作ろうか。

賞味期限が近いのが、納豆か。うん。今日は和食で決まり。私はこの冷蔵庫の中身を見て、何を食べるのか決めるこの瞬間がワクワクして好きだ。


そんなこんなで、朝ごはんができた。簡単なものだけどすごく美味しそうだ。私はいつも朝はご飯派だ。今日は卵かけご飯に、納豆に、お味噌汁。

「いただきます。」

今日は少し贅沢に味噌汁は具だくさん。
うん、美味しい。味噌の濃さもばっちりだ。そうだ、今日の味噌汁のレシピをメモっておこう。
そんなことを考えながら、朝ごはんを食べた。ごちそうさまでした。今日も美味しかった。幸せ。

時計を見る。出発時間まであと30分。思っていたより時間が経っていた。
「顔に15分、頭に10分。」よし、いける。

いつも私は学校に軽くメイクをして行く。下地に日焼け止め、少しパウダーして、まつ毛をビューラーで軽く上げる。眉毛をサッと整えて、リップを塗ってメイクは完成。
髪の毛はコテで巻く。髪の毛の巻き方は、韓国アイドルを見てたくさん練習した。最初はだいぶ時間がかかってたけど、最近はずいぶん早く出来るようになってきた。髪の毛はずっと伸ばしていて今は胸下くらいまである。毎日ヘアケアを頑張ってるおかげで艶々だ。ヘアセットは最後に前髪を整えたら完成。
わたしの好きなメイクに、髪型。
これで学校を頑張れるのなら、私は毎日でもやるよ。



キーホルダーでジャラジャラの鞄を持って家を出る。ここから学校までは歩きとバスで30分程かかる。私は余裕をもって行動したいタイプで、いつも家を1時間前には出発する。

どこからともなく夏を知らせる大きな声が聞こえる。彼らは土から出てたった1週間の命らしい。わかっていたらいいなと思う。自分たちに残されてる時間はもうそこまで来ていると。私は残り短い命で必死に生きている彼らに少し同情する。悔いなく生きろよ、そう心の中で呟き、バスに乗った。



バスの中では、次のテストに向け、英単語を覚える。
わたしは英語が苦手だ。理由は明白。英単語を覚えることが苦手だから。だから私は早めから英単語を覚えだす。ぎりぎりに焦るのはごめんだ。

「次は〇〇前ー」

ここが学校の最寄りのバス停。
降車ボタンを押して、英単語帳をリュックにしまう。

そろそろ学校だ。

バスを降りたら5分程で学校に着く。

私は基本教室に一番のりなので、鍵を取りに職員室を寄る。私は2年A組なので、2ーAと書かれた鍵をとる。私の教室は3階。3階まで上がるのはきついが、仕方ない。しかし、この暑さだけはどうにかならないかと、空気を睨む。もちろん空気は私のいらいらに気づかない。暑さはどんどん増していく。

階段を登りきり、教室は目の前だ。鍵を開け、ドアを勢いよく開ける。
「最っ高!」
教室のエアコンは職員室から先生が遠隔でつける。だから、ドアを開けた瞬間冷たい空気が流れてくる。

席に座って、持ってきていたタオルで汗を軽く拭く。

あと10分もすれば教室はわいわいし出すだろう。
今日も上出来。


"私"の役目は、ここまで。




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



授業が終わったら私はいつもの場所に向かう。
私のお気に入りの場所だ。

私の学校には、旧校舎と新校舎がある。私たち生徒のクラスはみんな新校舎にある。職員室はもちろんパソコン室とか音楽室とか綺麗な図書室も新校舎。だから生徒の大多数はわざわざ旧校舎に行く用事がない。そもそも旧校舎に何があるのか把握できてない生徒もいるだろう。そんな寂れた場所が、旧校舎だった。

私が向かう目的地は旧校舎の3階の端。

鍵は持っていない。が、鍵はそもそもかかっていない。
私はドアを開ける。

そこは図書室だ。
司書さんもいない、無人になってしまった図書室。
新校舎にある図書室に運ばれることのなかった古く寂れた本達だけがここにいる。
私だけの避暑地。のはずが、

「わっびっくりした。」

そう言ってこっちを見ている人がいた。
私が黙ってるのを見て

「あーこの本










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