愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~
 視線の先を見れば、下着のパッケージが並んでいる。だけど、それを買いたいというのは恥ずかしいといったところか。

 どうしたら、こんなに初心で純朴そうな子に育つのだろう。

 田舎にいるお母さんの教育が素晴らしかったのか、天然なのか。どちらにせよ、可愛らしく悩む姿を見て、大切に付き合わないとと改めて心に誓った。
 すると、咲良ちゃんははおずおずと話しかけてきた。

「あの、一織さん……明日、お買い物の前に一度アパートに戻っていいですか?」
「かまわないけど、どうして?」
「いや、その……着替えたいし、コスメ持って来てないし」

 そうか、化粧もする必要があるな。
 棚に視線を向け、並んでいるいくらかのコスメを見て、思わず口元が緩まった。

「ここに売ってるのじゃ、合わない?」
「それは使ってみないと……でも、家にあるので」
「なるほど。まあ、俺には化粧のことはよくわからないし、いいよ。朝ご飯を食べたら送っていくよ」
「ありがとうございます!」
「洋服も着替えたいだろうしね。そうだ、明日は着替えも持っておいで」
< 112 / 178 >

この作品をシェア

pagetop