愛情ごはんを届けたい ~エリート社長は過労死寸前!? あなたの心と体を私の料理で癒します~
 すると、店長が「それならセットはどうですか?」と薦めた。

「マスターに任せるよ。とにかく腹ペコでさ。あ、コーヒーは食後で頼むよ」
「かしこまりました。坂下さん、ホットサンドを焼いてくれるかな」
「はい! 急いで作りますね」

 私が持っていた伝票をひょいっと取り上げた店長は、手早く注文を書き込みながら、東條さんと世間話を始めた。

 店長は今年で還暦を迎えるのだけど、東條さんも息子みたいなものだって、いつだかいっていた。お腹をすかせてくると、つい世話を焼きたくなるんだって。
 その気持ち、ちょっとわかるかもしれない。

 急いで東條さんの腹ペコを満たしてあげないとね。

 ホットサンド用のフライパンに食パンをのせ、辛子バターを塗り千切りキャベツ、ハム、輪切りにした茹で卵を並べる。さらに上からチーズをのせて食パンで挟み、コンロの火をつける。
 焼いている間に、セット用のスープを温めなおしてカップに注ぎ入れ、サラダボウルに店長お手製いぶりがっこ入りポテトサラダを盛りつける。

 そうこうしているうちに、パンが芳ばしく焼ける香りが立ち上った。
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