無口な警察官様とのまさかの同居生活についてご報告します〜過保護で甘々で困っているのですが…!〜
レストランのような素敵なセッティングに呆然と見入る私に、湊さんは静かに続けた。

「今まで俺がしなかったことをすることで、君への想いが変わらないことを示したかった。君にもう一度チャンスを与えてもらいたくかったんだ」

偽りが全く感じられない彼の低い声が、私の胸にゆっくりと沁み込んでいく。
湊さんの心は何も変わっていなかった。じゃあ、昨日の佳奈さんとのことは――?

「かと言って、すべて一人で満足に作るのは難しかった。だから昨日佳奈さんに来てもらって、横でアドバイスを受けながら作ったんだ」

湊さんは佳奈さんとの関係を丁寧に説明してくれた。
私を料理でもてなしたいと伝えると、佳奈さんはとても喜んで乗り気になってくれて、レシピだけでなくテーブルのセッティングや花の手配までしてくれたそうだ。
何もかもが、私が想像していたものとは違っていた。

「すごく親身にしてくれたんだけれど、カメラを気にしなくていいからって厳しくしごかれたよ。『千沙さんを幸せにしたいなら、もっと精進しなきゃだめでしょ』って」

苦笑いを浮かべる湊さんに、私は動揺を抑えきれないまま訊いた。

「じゃあ、あの抱き合っていたのは……」
「ああ……あれは俺も驚いた。彼女も結婚を控えていて気分が良かったのか、ひとりでシャンパンを開けたんだけど……彼女は酔うとああいうことをするんだな」

ふうと溜め息をつくと、湊さんはテーブルに置いてあったプレゼント箱を私に見せた。
開けるとペアのシャンパングラスがあって、メッセージカードが添えられていた。
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