王子様はお姫様を愛し尽くしたい〜23時のシンデレラ短編〜
──あの日、ベッドの上で魔法をかけられたのはきっと俺の方だ。


(一生、愛し尽くさずにはいられない、甘いシンデレラの魔法か)

じゃなきゃ、こんなにも日々溺れるように、美弥を愛することをやめられない理由がほかに見つからない。


(上等だな)


絵本の『シンデレラ』の中で王子様がシンデレラを一生、愛し尽くしたように、俺も『23時のシンデレラ』をただ一途に見つめて、飽きるほどにキスをして抱きしめて離さない。


「美弥、愛してる」


美弥が幸せそうに微笑みながら俺の頬に手を伸ばす。

俺はゆっくりと、愛しいお姫様の唇に甘いキスを落とした。




2025.11.9 遊野煌

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